
| 胚盤胞移植 |
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| 受精卵は2分割→4分割→8分割と分裂を続け「桑実胚」を経て およそ5日目には「胚盤胞(ブラストシスト)」と呼ばれる着床前の状態に至ります。従来は受精後2〜3日目の初期胚までが技術的限界でしたが近年、培養方法の改良により胚盤胞までの培養が可能となりました。 胚盤胞まで発育した良好胚を移植できるため着床率が高いのが特徴で、移植数を少なく抑えることで多胎妊娠の防止にもつながります。また初期胚移植と組み合わせた「二段階胚移植法」は、反復不成功例にとっても有用とされます。 |
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| 胚盤胞移植の特徴 |
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| □長所 |
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| 1.初期胚移植より高い妊娠率 |
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| 自然に近い移植 |
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| 受精卵は分裂を繰り返しながら卵管から子宮へと移動し、子宮内で胚盤胞に到達した後、透明帯を破って内膜に着床します。 本来は卵管内にいるはずの初期胚を子宮内に移植する初期胚移植は生理的とは言えません。受精卵は非生理的な環境で着床までの数日間を過ごさねばならず、順応できなければ途中で発育が停止してしまいます。このことが初期胚移植 不成功の一つの原因とされます。初期胚を胚盤胞へ育てあげてから着床の準備のできた子宮に移植することで、より高い妊娠率が得られると考えられます。 |
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| 受精卵の選別 |
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| 受精卵はその40%に染色体異常があるとも言われ、全てが着床することはまずありません。こうした問題のある受精卵は分割、着床の段階である程度の淘汰を受けるからです。初期胚はグレードが良いほど妊娠率が高くなりますが、良い初期胚でも培養を続けると、発育が途中で停止してしまうことがあるのはこうした理由によるものです。初期胚移植を行っても妊娠しない場合には、子宮内で同様な事が起こっていると考えられます。初期胚を胚盤胞に培養する過程において受精卵がある程度の選別を受けることが、高い妊娠率が得られるもう一つの理由です。 |
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| 2.多胎妊娠の防止 |
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| 受精卵の移植数を増やせば妊娠率は上昇しますが、同時に多胎妊娠も増加します。着床率の高い胚盤胞移植では、移植数を1個に制限しても高い妊娠率が期待できます。つまり胚盤胞移植では高い妊娠率を維持しながら、多胎妊娠を防ぐことができるのです。 |
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| 3.子宮外妊娠の防止 |
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| 受精卵を子宮内に移植しても、意外にも子宮外妊娠は起こります。受精卵は着床するまでの間に卵管に逆行し、そこに着床してしまうことがあるからです。初期胚は一旦、卵管に向かった後に子宮に戻ってくる(受精卵回帰説)という仮説もあります。 胚盤胞は移植後すぐに着床するため、初期胚移植に比べて卵管へ逆行することが少ないため、子宮外妊娠の発生を抑える効果が期待されます。しかし実際には子宮外妊娠を100%防ぐことはできません。 |
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| □短所 |
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| 1.胚移植キャンセル |
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| 受精卵のうち胚盤胞に到達できる割合は20〜30%にとどまるため、受精卵が少ない場合には胚盤胞が一つもできずに、予定された移植がキャンセルになることがあります。 |
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| 2.未完成な培養技術 |
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| 近年の培養液の開発により実現可能となった胚盤胞移植ですが、胚盤胞への到達率は十分満足できるものではなく、まだ改良の余地があります。 妊娠の可能性を持っている受精卵が長期培養の途中で淘汰されてしまい、妊娠の機会を逃していると考えられるケースが実際に多く存在します。 |
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| 3.一卵性双胎 |
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| ARTの普及に伴い双胎妊娠が増えたことは、社会問題となりつつあります。 とりわけ妊娠中の管理が難しい一卵性双胎が増えたことは周産期医療の現場において混乱を招いています。 一卵性双胎は受精から卵割、着床の過程で受精卵が分断されることが原因です。胚盤胞培養などの長期培養では透明帯が硬化するため、孵化の際に分断してしまうのではと考えられています。 一卵性双胎では子宮内発育不全や胎児死亡が起こるなど、二卵性双胎に比して様々なトラブルが起こりえます。胚盤胞移植が導入された時には、このような事態は予想されておらず近年、学会やマスコミでも取り上げられ問題視されました。こうした事態については、今後さらなる検証と対策が必要であると思われます。 |
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| 当院では、現時点では以下のような方針をとります。 |
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| 基本方針 |
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| 最初から胚盤胞移植を行う可能性のある場合 |
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