
| 多胎妊娠 |
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| 多胎妊娠率は自然妊娠ではおよそ1%ですが、ARTによる妊娠では16〜17%と高率になります。その内訳は双胎妊娠94%、品胎妊娠5%です(日本産婦人科学会2005年報告)。 多胎妊娠における最大の問題点は早産(妊娠37週未満の分娩)に伴う出生児の合併症、後遺症です。双胎で42%、品胎で85%と、その多くが予定日を待たずに出産となり、後遺症は双胎で4.7%、品胎で3.5%に出現します。 また妊娠性高血圧症も発症しやすく、出産の80%が帝王切開となるという周産期上の大きな問題を抱えます。こうした母体への影響と負担、および早産児(未熟児)の抱える諸問題を考えるに、多胎妊娠は安易に歓迎できるものではありません。欧米では乳幼児虐待の温床に成るとさえ言われています。 移植する胚の数を増やすにつれて妊娠率は高くなると思われがちですが、実際には3個以上に増やしてもそれ以上には向上せず、多胎妊娠が増えるだけされます。多胎を防止するため、学会により移植胚数には制限が設けられています。 移植数を制限することで妊娠率が低くなっても、長い目で見た場合には母児にとって望ましいと考えての方針です。 はからずして多胎妊娠となってしまった場合には、慎重に妊娠経過を観察してゆく必要があります。多くの個人産院では管理能力に限界があり、多胎妊娠の分娩は難しいのが現状です。総合病院であっても未熟児を管理する施設(新生児集中治療室)がないことが多いため、緊急時には高次搬送となる場合があります。万全を期するには、周産期センターの併設された基幹病院がより望ましいでしょう。 なお母体を取り巻く医学的、社会的、経済的状況を検討した結果、多胎妊娠の継続が困難と判断され、さらにご家族の強い要望がある場合に限って、当院では「減胎手術」を行うことがあります。 |
