
| 卵巣過刺激症候群(OHSS) |
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| 自然排卵周期では卵巣に1個(時に2個)の卵胞ができますが、排卵誘発剤を用いた「刺激周期」では、複数の卵胞形成が見られます。とりわけ作用の強い注射剤を連日投与すると、10〜20個の卵胞ができることも珍しくありません。「卵巣過刺激症候群(OHSS)」は多数の卵胞形成によって卵巣が腫れることによる腹痛と、随伴して出現する腹水による腹部圧迫感を主症状とします。 症状の程度は薬剤の種類と投与量、そして受ける人の体質(たとえば多嚢胞性卵巣症候群)、薬剤への感受性によって異なります。 症状は採卵後から出現し一週間頃にピークを迎えますが、月経前になるとすみやかに改善してきます。しかし妊娠が成立した場合には、妊卵から分泌されるhCGにより黄体が刺激を受けてホルモンの分泌が続くため、症状は長引きます。 OHSSは排卵誘発剤を使用する人のおよそ5%にみられる症状ですが、大部分は軽症のため、「日にち薬」で改善してゆきます。身体を動かした時などに腹部に引きつる感覚やチクチクした痛みを感じたり、普段はいているスカートがきつく感じられたりする時は、症状の初期と言えます。 卵巣が大きく腫れて強い痛みが出現する場合、中等量以上の腹水がたまる場合、尿量が減少してくる重症例(0.5%)では注意が必要です。このようなケースでは血液の濃縮が起こり、血栓症などを引き起こすことがあるからです。胸水までたまるような最重症例では長期の入院加療が必要となります。 OHSSを未然に防ぐため我々医師は薬を慎重に投与しておりますが、予想以上の反応が起こることがあります。発症した場合には、医師の指示に従って水分をいつもより多めに取り、安静を心がけてください。 |
