ASKAの不妊治療の進め方について

当院の不妊治療の進め方について

当院ではなるべく自然に近い方法から治療を始めるステップアップ方式をとっております。不妊治療はそのご夫婦の状況に応じた進め方が必要です。年齢、不妊期間、子宮筋腫や子宮内膜症などの合併症の有無などにより検討します。

来院される方の年齢層

グラフは当院に来院された女性の年齢区分です。30代が全体の約7割を占めます。40〜45歳の方は年々増加傾向です。
来院される方の年齢層

 

年齢と妊娠率

グラフは体外受精・顕微授精の妊娠率で、1回の治療によって妊娠された割合が示されています。35歳を過ぎると低下が早くなり、40歳を超えると加速します。
年齢と妊娠率

 

妊娠に至った治療方法

円グラフは当院で妊娠された方の治療法の内訳です。
妊娠された方の約半数は、一般不妊治療(タイミング法と人工授精)です。
妊娠に至った治療方法

 

治療法別妊娠率

グラフはステップアップの段階毎の妊娠率(35歳)です。妊娠率は人工授精が意外と低く、体外受精がダントツに髙いのがわかります。
治療法別妊娠率

 

治療方針の決め方

いずれのステップから治療を開始するかは、年齢、妊娠歴、不妊原因、合併症の有無、社会的背景そしてご夫婦の考えによって決定されますが、このうち最も重要なのは女性の年齢です。加齢に伴い卵子の質が低下してくると、たとえ体外受精を行ったとしても簡単には妊娠に至りません。
しかし晩婚のご夫婦では「何が何でもでも子供が欲しい」と考える方がおられる一方で、「できるのなら欲しい」「無理してまでは欲しくない」とお考えの方も多くおられます。こうした意向はご夫婦の人生観によるものなので、我々もそれを尊重します。
一方、周りの出産に刺激を受けている30歳以下の若年の方は我々の思いとは逆に、やみくもに治療を急ぐ傾向があります。「そんなに急がなくても、、」と思うのですが、来院される表情は切羽詰まっており余裕がありません。
「子供がいない人生など考えられない」若い世代と、「子供がいなくても、それなりに生きてゆける」と考えるゆとり世代の温度差も治療方針の差に現れてきます。

ステップアップ治療の実際

一通りの不妊検査で異常がない、もしくは原因不明の不妊症の場合、治療は以下の4段階で進めてゆきます。

ステップ1(自然排卵による治療)
排卵日を超音波検査や粘液検査で調べ、自然の排卵に合わせて性交渉を行います。オプションとしてhCG製剤と呼ばれる排卵を誘発する注射剤を組み合わせるとより効果的です。
hCG製剤は卵胞の成熟を促すことにより排卵を促します(排卵誘発剤ではありません)。これにより排卵日を確定できるため、性交渉のタイミング合わせがより確実になります。

ステップ2(排卵誘発剤による治療)
排卵誘発剤を併用した周期で排卵に合わせて性交渉を行います。
排卵誘発剤の作用により卵子の成熟度や黄体機能が改善したり、複数個の排卵が起こることで妊娠率の向上につながります。これとhCG製剤を併用するのがより効果的です。

ステップ3(人工授精)
洗浄濃縮した精子を確実に子宮内に送り込むことで妊娠率の向上が期待できます。自然排卵周期でも可能ですが、排卵誘発剤を併用するのがより効果的です。

ステップ4(体外受精)
体外に取り出した卵子を精子と受精させて受精卵を作り、それを子宮の中に移植します。確実に受精卵を作り育てるため、あらゆる不妊原因の方に対しても有効な治療となります。

治療回数の目安

年齢だけで決めた治療回数は以下となります。

  step1 step2 step3 step4
  自然排卵
タイミング法
排卵誘発剤併用
タイミング法
人工授精 体外受精
顕微授精
30歳未満 3周期 3〜6周期 5〜10回 回数は相談
30〜34歳 3周期 3〜6周期 5〜6回
35〜37歳 1〜3周期 3〜6周期 4〜6回
38〜39歳 1〜3周期 1〜6周期 3〜5回
40〜41歳 1周期〜 1周期〜 3〜4回
42歳〜 なし
卵管性不妊症 なし
重症男性不妊症 なし

治療を急ぐ必要のある方

卵巣の老化が疑われる方
高齢、FSH高値、AMH(抗ミュラー管ホルモン)低値の方
毎年100万人の新生児が産まれますが、この内40歳以上で初めて出産する人の割合は“1%”に過ぎません。当院で開院以来、妊娠出産に至った最高齢は45歳(体外受精)です。不妊の最大の原因は卵巣(卵子)の老化であり、老化を防ぐ方法はありませんので、できるだけ早く妊娠するしか方法はありません。
卵巣老化の指標となるホルモンであるFSH(卵胞刺激ホルモン)は年齢に伴い上昇し、また卵巣に残っている卵子数の指標となるAMH(抗ミュラー管ホルモン)は低下します。これらが年齢平均値より悪い数値である場合、治療を急ぐ必要があります。

婦人科的合併症(子宮筋腫、子宮内膜症)のある方
子宮内膜症により卵巣に卵巣嚢腫(チョコレート嚢腫)ができると、卵巣の機能が低下します。卵巣の正常部分がこの腫瘍に置き換わってしまうため、卵子の数が減少し質も低下してしまうのです。不妊治療中には子宮内膜症は改善することはなく、むしろ悪化してゆきますので、できるだけ早く妊娠することが重要となります。
また子宮内膜症の病変が卵巣から周囲の臓器に広がると癒着が生じます。卵管が癒着した場合、卵巣から卵管への卵子の受け渡しが障害される可能性があり、これをピックアップ障害といいます。この場合、タイミング法や人工授精までの治療法は効果が期待できません。そのためチョコレート嚢腫があり癒着が予想される場合には、最初に手術を選択する場合もあります。しかし高齢などで妊娠を急ぐ場合には体外受精も検討した方がよいでしょう。
子宮内膜症は妊娠することで進行が抑えられますので、妊娠は一石二鳥となります。

子宮筋腫は30〜40代の女性によく見られる良性腫瘍です。子宮筋腫はその全てが不妊の原因となる訳ではありませんが、大きさと場所によっては原因となりえます。超音波検査やMRI検査で子宮筋腫の状態を把握した後、まずは手術を行うかそれとも不妊治療を先行させるかを検討します。
子宮筋腫は自然に小さくなることは稀で、不妊治療中には大きくなることの方が多いので、なるべく早くに妊娠することが重要となります。

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