医療法人平治会 ASKAレディースクリニック

卵管の検査
卵管は精子にとっての通路であり、排卵した卵子を取り込むミットとして、そしてそれを運搬するベルトコンベアとしての役割を担います。さらに受精後は、胚を育む培養器としての機能をも持ち合わせます。
卵管には大きく「輸送管」、「ミット」そして「培養器」の3つの大きな役割があり、卵管障害においてはこれらが障害されることになるのです。

卵管に関する検査で、外来診療で実施できるものは「輸送管としての通過性」に限られます。この「卵管通過性試験」には様々な特徴を持ち合わせたいくつかの種類があります。

種類と特徴
 1.卵管通水検査
子宮内に細いカテーテルを挿入し、そこから生理的食塩水(多くの場合、炎症の予防として抗生剤とステロイドを添加します)を20ccほどゆっくりと注入し、その「注入圧(抵抗感)」で通過性を判定するものです。
長所:簡便であり、比較的痛みが少ない。検査により通過性の改善が得られると、その後に自然妊娠することがある。
短所:判定は主観的であり、通過性を数値化できない。閉塞側および部位の診断ができない。

 2.超音波造影検査
子宮内に細いカテーテルを挿入し、そこから造影剤(パルミチン酸の微小発砲溶液)を注入します。超音波モニター上では白色のエコー像として映る造影剤が子宮から卵管にかけて流出する様子を観察します。
長所:簡便であり、痛みが少ない。卵管を流れる様子が視覚的に観察できる。閉塞側の診断ができる。脂肪酸を主原料とするため、薬剤アレルギーがない。
短所:閉塞部位の診断ができない。卵管周囲癒着の診断ができない。

 3.エックス線造影検査
子宮内に細いカテーテルを挿入し、そこから造影剤(多くは油性造影剤)を注入します。レントゲン透視下で、造影剤が子宮から卵管にかけて流出する様子を観察します。検査後、時間をあけて腹部単純撮影すると、造影剤の拡散の状態から卵管周囲癒着についての情報が得られます。
長所:卵管を流れる様子が視覚的に観察できる。閉塞側と閉塞部位の診断ができる。卵管周囲癒着の診断ができる。方法によっては、子宮頸管の状態も観察できる。
動画やレントゲンフィルムに残すことができる。
検査により通過性の改善が得られると、その後に自然妊娠することがある。
短所:まれにショック、アレルギーを起こす可能性がある。

特徴一覧表

通水検査
超音波造影検査
X線造影検査
 検査の痛み 
+〜++
±〜+
+〜+++
 通過性の判定 

++
+++
 閉塞側の診断 
不可


 閉塞部位の診断 
不可
不可

 卵管周囲癒着 
不可
不可

 ピックアップ障害 
不可
不可
不可
 副作用・合併症 
なし
なし
アレルギー反応

卵管検査に共通する問題点
3つの卵管通過性検査に共通するのは、「液体を用いた通過性」をその診断のよりどころとしている点です。しかし実際に卵管を通過するのは、精子や受精卵などの大きさをもった生き物です。さらにこれらの運搬には卵管内皮の蠕動・線毛運動も必要であるため、単純な液体の通過性だけで、輸送管としての機能の全てを調べていることにはなりません。
しかし「液体が通る」ことは「精子と受精卵が通れる」ことの証明にはならなくとも、「液体が通らない」ことはおおむね「精子も卵子も通れない」ことと同義と考えて良く、この点での診断価値は十分あると考えられます。
いずれにしても造影検査においては、卵管の影を見ているだけであり、癒着などの詳細な判定は難しいため、白黒付かないケースの正確な診断には腹腔鏡や卵管鏡などの内視鏡検査を行うことが必要です。


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