医療法人 平治会 ASKAレディースクリニック

奈良県 特定不妊治療費助成金制度の注意点

特定不妊治療助成制度の注意点
不妊治療助成金制度の申請手続きに際しては、トラブルが多発しております。下記のポイントをご確認ください。

ポイント1
平成19年度から 「1年度あたり治療1回につき10万円まで、1年度あたり2回を限度に、通算5年度まで」 「所得制限730万円未満」になりました 。

ポイント2
治療方針や治療経過により助成対象とされない場合があります。
助成の対象となる治療内容
薬剤費 GnRH製剤(スプレキュア等)や排卵誘発剤、黄体ホルモン剤
診察料 内診および超音波検査
採卵・採精費用
受精〜培養費用(前培養、媒精および顕微授精、培養)
胚移植費用
胚凍結費用
妊娠判定

採卵・移植費用だけでなく、薬剤費や診察料も対象となります。
施設によってはこれらの料金区分がはっきりと分けられていない包括的(全部まとめて、○○○円)な料金体系をとる場合があります。

治療ステージと助成対象範囲
治療方針や治療内容により助成される治療内容(上記)が変わります。また、全く助成されない場合があります。

助成金申請の原則
助成金は治療が完了した場合にのみ申請できます。1回の治療期間は、採準備のための投薬開始から妊娠確認日(妊娠の有無は関係ありません。)、または医師の判断によりやむを得ず治療を中止した時点までです。

この原則をふまえて、下記を読んでください。
A.
新鮮胚移植
採卵を行い、その周期に新鮮胚(受精卵)を移植した通常のケース。
治療は完了していますので、この場合には排卵誘発〜採卵培養〜移植(余りが生じれば、凍結費用)の全てが対象となります。

B.
計画的な受精卵の凍結保存
採卵、受精後に数周期の間隔をあけて母体の状態を整えてから胚移植を行うとの、当初からの治療方針に基づく治療を行ったケース。
この場合は、
移植を行うまでは治療は完了していませんので、採卵および凍結保存した段階では助成金を申請できません。凍結された受精卵を融解胚移植した場合に「治療が完了」と見なされ、それまでにかかった費用の全てが助成対象となります。
Bの具体例
体質的に卵巣過刺激症候群を起こしやすい、もしくは以前に実施した採卵移植の際に起こしたことがあり、今回の採卵では新鮮胚移植を断念する場合。
採卵数が少ないため、数周期続けて採卵と受精卵の凍結を行ってから、別の周期で移植を予定する場合。
クロミッド周期での採卵などにより子宮内膜が新鮮胚移植に適さないため、採卵周期と移植周期を別にする場合。
ホルモン補充周期による凍結胚移植を目的として採卵する場合。
抗ガン剤による治療を予定していて、凍結保存する事を目的とする場合。

C.
以前に凍結した受精卵による凍結胚移植
以前に行った採卵胚移植の際に余りが生じたため凍結保存しておいた受精卵を使用した凍結胚移植。
採卵はしなくても、凍結卵の移植をする場合には
治療が完了しますので、胚移植までの費用が助成の対象となります。第1子の治療の際に保存しておいた受精卵を第2子の治療に用いる場合にも助成対象となります。

D.
体調不良により移植のめどが立たず治療終了
採卵したが、卵巣過刺激症候群などによる母体の体調不良により当初予定されていた新鮮胚移植がキャンセルとなった場合。
医師により治療中止の決定がなされているので排卵誘発〜採卵〜受精〜凍結保存が助成対象となります。

この場合には採卵および凍結費用は助成の対象となる点が「C」のケースとの決定的な違いです。
つまり採卵〜凍結費用は、最初から凍結を予定していた場合には、助成対象とはならず、採卵後に移植がキャンセルとなった場合には対象となるのです。
従って採卵〜移植までの治療を完了すると、前者では助成金は1回交付されますが、後者は2回交付されます。
たいへんややこしいシステムですが、おそらく凍結しなくても良いのに故意に凍結保存して移植を行い、1回の採卵〜移植で2回の助成金を得るという制度を逆手に取った申請を却下するのが目的と考えられます。

E.
採卵したが受精しない場合(活性化障害)、受精が異常の場合(多精子受精、極体放出不全)、受精したが胚の状態が悪く移植できない場合(分割停止や変性、低いグレード)。
この場合には排卵誘発〜採卵〜受精までの費用が助成対象となります。

F.
採卵したが卵子が得られない場合(空胞)、または状態の良くない場合(未成熟卵、変性卵、形成不全卵)。
この場合には排卵誘発〜採卵費用が助成対象となります。

G.
卵胞が発育しない、または排卵してしまい治療中止
この場合、排卵誘発剤を含む一切は対象となりません。

H.
採卵準備中、体調不良等により治療中止
誘発剤による副作用を含めた体調不良や、何らかの理由による治療中断は対象となりません。

ポイント3
申請期限にご注意を!
助成金の申請手続きは、治療が終了した日(妊娠判定を実施した日)の属する年度内に行ってください。
平成19年4月1日から平成20年3月31日までの間に治療が終了した場合の申請は、平成20年3月31日までに行ってください。
自治体によっては、申請期間は治療が終了してから「3ヶ月以内」といった規定を設けていることがあります。
3月に採卵をして19年4月に胚移植をした場合には、申請は新年度になります。
3月に胚移植をして判定が4月になった場合には、申請は新年度になります。このケースは自治体によっては胚移植の時点で「終了」扱いとして、前年度の扱いとしてくれる場合があります。

年度末の申請には特に注意が必要です!
3月末までに治療が終了した場合でも、医療機関による「特定不妊治療受診等証明書」の発行には数週間かかることがあるため、年度内に申請できない場合があります。申請が4月になっても受けてくれる自治体と1日遅れても受けない自治体とがありますので、住所地の保健所に確認してください。

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