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不妊治療と検査にかかる料金 |
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「不妊治療は高い」という言葉をよく耳にしますが、実際のところどれほどの負担となるのでしょうか? 不妊治療にかかる料金は大きく分けて、「検査にかかる費用」と「治療にかかる費用」とがあります。前者の検査には「不妊原因を調べる検査」と「排卵時期を調べる検査」とがあります。後者の治療には「一般治療(人工授精までの治療)」と「生殖補助医療(体外受精など)」とがあります。 |
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●検査にかかる費用(概算) |
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(注意) 検査には保険が使える項目と、使えない(全額自費負担)となる項目があります。 後者の費用は施設により異なります。 一般治療では排卵時期の予想のために超音波検査と頚管粘液検査などが必要となります(尿LHチェックや基礎体温だけでの排卵予想は困難です)。 |
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●治療にかかる費用(概算) |
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(注意) 治療費は診察料、検査料、投薬料、手技料の合算(概算)です。 人工授精および生殖補助医療では保険が使えません。 |
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不妊治療費はなぜ高いのか? |
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前項で示す通り、不妊3大検査の総額は約26,000円、不妊治療を受ける場合の一ヶ月当たりの支払額は最低でも6,000円が必要となります。 なぜこのように高額になるかと言うと、ホルモン検査一つを取ってみても、健康診断での血液検査(貧血、肝機能)などに比して検査料が格段に高額であり、また保険が使えない項目も多く、これらは自費負担となるからです。 さらに毎周期の治療で負担が大きいのが超音波検査です。これは排卵時期の予測や、排卵の確認には欠かせない検査であり、1周期に2〜3回は必要です。検査料は1回当たり5,300〜4,770円もかかり、排卵誘発剤などを使用する周期では、検査に対して保険が適用されるため自己負担額は3割(1,590〜1,430円)となりますが、それでも大きな支出となります。 また治療費では排卵誘発剤であるクロミッドは1錠120円であり、1周期の自己負担額は約360円(10錠)と比較的安価ですが、より作用の強いhMG製剤では1アンプル2,000〜3,000円と高額になります。 |
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不妊治療に保険は使えるのか? |
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「不妊治療には保険が使えない」という言葉を耳にしますが、そうではありません。勿論、ブライダルチェックなどの不妊検診では保険は使えませんが、医師により「不妊症」と診断されれば、検査と治療の大部分は保険でまかなわれます。 しかし前述の通り、「保険が使えない検査や治療」も多く、これらは全額自費負担となります。 例えば重要な不妊原因である抗精子抗体(自己負担額4,000円)や、今や最先端とは言えない人工授精(自己負担額18,000円)でさえも、いまだに保険適応となりません。さらに高額な生殖補助医療については、一部を公費負担(10万円を限度)とする制度が実施されましたが、夫婦の年収合計が650万円以下の場合に限られています。 不妊治療における保険適応はさらなる充足が望まれますが、ご存じの通り国の医療費は膨れる一方であり、不妊医療だけに注がれるものではありません。「大きさの決まったパイ」を皆で分配するのが健康保険制度の基本理念である以上、患者さんの我慢と医院の努力も必要であると考えます。 |
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体外受精はなぜ高いのか? |
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学会による調査では体外受精一回当たりの治療費には15万円〜70万円と価格差が見られます。実施費用が1万ドルと言われる米国ほどではないにしても、若いご夫婦が簡単に用意できる金額ではありません。 体外受精や顕微授精などの高度生殖補助医療では、それを目的とした診察、検査、投薬、手技のいずれも保険が適応されません。これらの実施料金は各施設により独自に設定(自由診療)され、全額が自己負担となります。 また生殖補助医療を実施するにはクリーンルームや培養器機などのハードと、胚培養士およびカウンセラーなどの有資格者が必要で、施設の運営には多額の設備投資と人件費がかかります。都心の一等地に大規模な施設と大勢のスタッフを揃えれば、料金も高くなるのも致し方ないことかも知れません。 |