医療法人 平治会 ASKAレディースクリニック

あすか通信 2003年冬号 Vol.3 12月発行

≪院長便り≫
 「インターネット講習会」なる案内に導かれて一室に集められた我々は、「LAN構築、HUBの設置、IPアドレスの取得・・・」など一通り聞き慣れない説明を受けた後、モニターに映し出された「ホームページ」を閲覧した。10年程前の大学での話である。「一体、こんなモンが何の役に立つのであろうか?」何十秒もかかって一枚の風景が画面に現れるのを見ながら、鳴り物入りで大学に導入されたネットワークを当時の私は冷めた目で見ていた。しかしどうだろう、こともあろうかその私は今、このソリューションなしには仕事にならない。朝出勤するとまずはコンピューターを開いてインターネットに接続する。その日のニュースを確認し、医療サイトで新着情報、医療事故をチェックし、メールに目を通す。
論文検索は図書館に行かなくともデスクでダウンロードすれば終わりであるし、書きかけの原稿はサーバーに預けて、自宅で続きを書くこともできる。
仕事だけではない。週末には行楽地の情報を検索し、食事の予約を取る。こだわりのレアなアイテムもネットであれば探し出せる。生活情報誌であり百科事典であり医学書にさえなりうるこのメディアは、ラジオもテレビもパソコンもあるこの時代に生まれた私にとっては人生最大のイノベーションになるかもしれない。
 生活の至る所でインターネットの存在感を強く感じるいま、クリニックの現行のホームページにも見直しの必要性を感じ、今夏より下準備に取りかかっている。その一環として光ファイバーも導入した。
単に診療時間や所在地などの基本情報を掲示するパンフレット的なコンテンツから脱却し、情報開示の一形態として積極的にNEWSを発信してゆきたい。
そしてまた「顔の見える医療」を目指すASKAと患者さんの双方向性のメディアとして活用できればと考えている。
バーチャルの時代にあって光速のコミュニケーションを展開してはゆくが、診療の基本はFace To Faceであることに変わりはないであろう。

≪スタッフ紹介≫
培養士 粟井啓子
 今回、私、看護師の岩井が皆様にご紹介するのは、培養士でIVFコーディネーターの粟井啓子さんです。
実は私、粟井さんのことを影で「粟井先生」と呼んでおります。私が不妊治療の勉強を始めたのは、2年前なのですが、独学では難しいことがたくさんありました。
そんな時に粟井先生に質問すると理解力の乏しい私にも分かりやすく説明してくれます。
だから私にとって「先生」となるのです。
性格は、やさしく、ポァーっとした(ゴメンナサイ!)雰囲気があるのですが、シンは強く、まがったことが嫌いな人です。とても真面目なのですが、時々ボケっぷりを発揮してみんなを笑わせてくれたりもします。
そろそろ雪の季節ですが、彼女には待ち遠しかったことだと思います。趣味のスノーボードで今年の冬も大忙しだと思いますが、ケガには注意してくださいネ。
(看護師:岩田直子)

≪培養室便り≫
〜精子のお話し〜
 皆さん、こんにちは。このコーナーで前回取り上げて好評だった(?)「卵子のお話し」に続いて今回は、「精子」についてのお話をしてみたいと思います。
不妊症の必須検査の1つに精液検査がありますが、みなさんはもうこの検査を受けられましたか?精子は卵子と違って簡単に検査ができ、顕微鏡では無数の精子が所狭しと泳ぎ回る姿を観察する事ができます。その姿はどこかユーモラスであり、一匹ごとに違った個性があるような気さえしてきます。ひたすら直進する者、蛇行して前に進まない者、じっと留まって動こうとしない者、なんだか人間社会に少し似ていると思いませんか?そんな精子たちの個性を数値で表したものが「精子検査」なのです。
その項目は、精液量、精子濃度、運動率、奇形率、直進運動性などの一般検査の他に細菌培養検査や運動能力、受精能力を調べる検査もあります。
具体的には、射出した精液の中に精子が全くいない無精子症、精子の数が少ない乏精子症、精子の運動率が低い精子無力症と言ったようにそれぞれの項目に対応して診断基準が設けられています。
最近では不妊症の原因の35〜40%は精液に問題があると言われており、検査結果によっては治療方針も大きく変わってきますので、まだ検査を受けられていない人は早めに検査することをお薦めします。
ところで、「今日は体調が悪いからきっと精子も良くないだろう」と言ったコメントをよく耳にしますが果たしてそうなのでしょうか?
ここで精子のライフサイクルを考えてみましょう。精子は卵子のような周期を持ちませんが、精巣内では毎日休むことなく作られています。では工場で作られた精子が外に出てくるまでにはどれくらいの期間がかかると思いますか?2〜3日?1週間ぐらい?2週間ぐらいでしょうか?
精子は精粗細胞→第一精母細胞→第二精母細胞→前期精子細胞→後期精子細胞→精子と段階を経て成熟し、精子にまで成長するには実に約3ヶ月もの製造期間がかかっているのです。すなわち精子の状態は、採取した当日の体調もさることながら、ワンシーズン(3ヶ月)前の状況にも影響を受けているのです。そのため精子の状態は毎回同じということもありません。精液の評価も1度では不十分と考えられるため、期間をおいて3回は検査を行い、平均値を知っておくことも大切でしょう。
(培養士:粟井啓子)

≪おしえて!≫
〜学会報告〜
 今回の「おしえて」は、10月に東京で行なわれた「第48回日本不妊学会/日本受精着床学会」のレポートをお送りします。数あるテーマの中で注目が集まったのは、シンポジウムで取り上げられた「生殖補助医療反復不成功例に対する対応」であります。「反復不成功例」とは体外受精や顕微授精を繰り返しても、なお妊娠に至らない難治症例のことです。
ARTは目まぐるしい進歩を遂げましたが、顕微授精に続く劇的な技術革新は見られません。最近では受精後5〜6日目の胚である「杯盤胞」を用いた移植が良好な成績をおさめていますが、それでもなお満足できるものではありません。このセッションでは、国内著名クリニックの演者により様々な試みが提示されました。加藤レディースクリニックからは胚移植が不成功に終わる原因は「胚の発生障害」と「着床障害」の二つに大別されるが、初期胚移植不成功例では胚発育環境の不備による胚盤胞への発育障害が原因との考えから「体外培養(胚盤胞移植)」が有用であるとの報告がなされました。
セントマザー産婦人科医院からは「子宮内膜が薄い」ことが着床障害の一因になっている症例に対して、胚を一旦凍結した後の自然周期における凍結胚融解移植や、胚盤胞移植の際の透明帯除去などの「孵化補助法」の有用性についての報告がなされました。
広島HARTクリニックからは欧米ではすでに臨床応用されている「GnRH アンタゴニスト」を取り上げ、反復不成功例に対して用いた検討がなされ、卵の質の改善が期待できるとの報告がなされました。

当院においても「胚盤胞移植」と「孵化補助法」についてはすでに取り入れており、一定の成績を得ています。また「GnRH アンタゴニスト」についても製剤を海外より取り寄せ、実施の態勢が整いました。詳しいことは医師または胚培養士にお尋ねください。
(院長)

≪ナースキャップ≫
みなさん、こんにちは。今回のナースキャップは私、宮本が「エステリフレツアー」をレポートいたします!
最近、ホテルでのエステ付き宿泊パックが大人気ですが、今回は観光を兼ねて徳島県は鳴門に友人と出向いてきました。鳴門へは難波より出ている「高速バス 鳴戸」に乗車して陸路2時間半、車窓からの眺めも最高であっというまに到着しました。この付近は大きな橋が多く、まるで海に囲まれているようなロケーションです。まずは鳴戸観光の目玉である「うず潮」のポイントへ向かいました。ところがあいにくその日は中波で、満潮時のような迫力あるうず潮はお目見えせず、少しがっかりしました。ちょうど「鳴戸金時」を使ったタルトやモンブランの「おいもフェア」が開催中であったため、うず潮の敵をおいもでとることができました。
今回の宿泊先である「ルネッサンスリゾート鳴戸」は全室オーシャンビューであり、レジャー施設やチャペルもあってとても素敵なホテルでした。チェックイン後、早速目的のエステを体験することに。私たちは「ボディ」と「フェイシャル」の2コースを受けることにしました。
問診を受けたあと、専用のローブに着替えてまずは「ボディ」から。タラソパックを全身に塗った後、暖かいカプセルに20分間入り、最後は10分間ジェットバスに入ります。続く「フェイシャル」は洗顔した後、タラソオイルで顔とデコルテ(顔から下)マッサージをたっぷり30分。顔全体のツボを刺激しながらのマッサージは、まさに「至福」のとき。友人にいたっては、1時間ほど爆睡したほどでした。終了後にはジャスミンティーのサービスがあって、心身共にすっかり癒されました。続く夕食は、紀伊水道でとれた鯛のお刺身や鯛飯、そしてご当地「さぬきうどん」まで登場。こちらも大満足で思わず食べ過ぎてしまいました。
もう一つ特筆すべきことがあります。ホテル最上階に設けられた大浴場では徳島の名産である「すだち」がふんだんに入った「すだち湯」が楽しめるのです。プカプカと浮いた「すだち」のあまりのカワイさに思わず笑ってしまいましたが、「すだち」は「ゆず」に比べると香りは劣るもののビタミンCを多く含み美肌効果バツグンだそうです。「すだち」を使ったお土産も充実していて、すだと酒、すだち石けん、すだちポン酢からすだちゴーフルまでの品揃えは圧巻。ひとつ買って帰り、家でも「すだち湯」を試してみましたが、温泉気分を味わうことができなかなか好評でした!すだちに2か所くらい切込みを入れることで香りがよりいっそう楽しめます。みなさんも是非お試しください。
あっというまの時間でしたが、日頃のストレスを発散でき、かなり癒されました(何にストレスを感じているかは内緒ですが、、)。
最後にASKAでの通院を始められた方、また少し治療に疲れた方、機会があれば訪ねてみてはいかがでしょうか?
不妊治療の極意は、何でもいいのでストレス発散できるものを見つけることです!
心身がリフレッシュされると治療への意欲が湧いてきて、さらなる効果が期待できるかも知れませんよ。
(看護師:宮本優子)

≪投稿コーナー≫
あすか通信では広く皆様からのご意見をお受けしております。今回は、現場で臨床に携わるドクターからの「投稿」をいただきましたので、掲載させていただきます。

奈良社会保険病院 産婦人科部長 梅影 秀史先生

〜・〜・梅影秀史先生のご紹介〜・〜・〜
奈良医大ににて生殖免疫学のご研究に専心し、学会賞やシンポジストとして多くの実績を残す。H14年より社会保険奈良病院の産婦人科部長として就任。
プジョー、シトロエンと乗り継ぐ「フランス車通」。
〜「産声」〜
 以前から、「先生はどうして産婦人科医になったのですか?」という質問をよく受けます。私が産婦人科を選んだ理由は、「生命の誕生」の場面に立会いその手助けをしたいと思ったことと、「体力に自信」があったからです。無論その気持ちは今も変わらないのですが、最近は母性の尊さに心が強く引かれることが多く、この仕事をしていて良かったと思うのです。
 妊娠の多くは問題なく経過し、自然分娩で普通に出産される方が大半です。しかし、時には流産や死産など望まない結果を招くこともあります。また不妊症や不育症のために治療を受けておられる方も増えています。行政が治療費の補助などの対策に乗り出しているのは喜ばしいことです。
 ある妊婦さんは、第1子を分娩予定日直前になくされました。ある日、自宅で胎動の減少に気づいたものの、病院に着いたときには既に胎児はなくなっていました。死亡の原因は不明ということでした。
今回の妊婦は当院で管理することになりました。妊娠初期から患者さんや家族の方の不安は強いものでしたが、なんとか臨月まで無事にたどり着きました。そして陣痛が訪れ順調に出産に至りました。すると直後に患者さんが大きく叫んだのです。「赤ちゃんは大丈夫ですか?」その言葉を聞きながら出生直後の児の処置にあたっていた私にとって、最初の産声を聞くまでの時間はとてもとても長く思えました。特に苦労してやっと出産にまでたどり着けた患者さんに対しては、「おめでとう」や「よく頑張りましたね」などの言葉では表現できないような奥の深い感慨がこみ上げてくるものです。
どんな親にとっても子供は大切なものですし、それぞれの家族で喜び方は様々です。ただ、出産に至るまでの苦労が大きければ大きいほど、我々にとっても、得られる充足感と安堵感は大きくなり、それをやり遂げた妊婦さんをねぎらう気持ちも一層強いものになります。
 人が母性を持つようになるのは、おそらく妊娠が判明したころからでしょうか。あるいは、妊娠を希望した段階でも既に母性は芽生えているかもしれません。
その母としての気持ちを育むための手助けをすることが我々の責務であり、常に最善の結果を目指して診療にあたらなければなりません。
産婦人科医になった理由を聞かれるたびに、この仕事の素晴らしさを懸命に説明している自分に気づくのです。

≪あすか会掲示板≫
〜子宝報告「DOST法」で妊娠しました!〜
皆さん、はじめまして。私は結婚5年目、ASKAに通院して3年半にしてようやく妊娠することができました。私が病院に通い始めたのは、結婚して2年程たった頃のことです。
「そろそろ子供も欲しいし、一度病院で見てもらえばすぐに授かるだろう」という本当に軽い気持ちで受診しました。
最初はタイミング療法から始めることになりましたが、なかなか簡単には妊娠しませんでした。途中、通水検査や卵管造影検査も受けましたが、これらの検査はその度に下腹部に強い痛みがあり、私にはとても辛いものでした。「片方の卵管はつまってるけど、もう片方は大丈夫。このような人でも自然妊娠している人はいる」との先生の言葉を信じて自分自身を励まして、治療を続けました。それでもいっこうに妊娠せず、そのうちAIHの話がでてきました。私自身「次はAIHしかないのか」と考えるとやはり抵抗がありました。
「治療を休んで妊娠した人がいる」などの話を聞く一方で、やっぱり病院に通っている方が少しでも早く子供を授かるのではないかと考えるそんな葛藤の末、一年ほど治療を休みました。そして治療を再開し始めた時に中山先生に出会いました。その時もやはりAIHを勧められましたが、「子供が欲しい」という気持ちから、少し抵抗はありながらも受け入れることにしました。しかし4回のAIHも失敗に終わり、体外受精などは考えていなかったため、治療はいよいよ行き詰まってきました。「卵管通過障害が原因となっているなら、人工授精を続けても結果は出ないでしょう。思いきってDOST(ドスト)法を試してみませんか?」中山先生からの提案でした。
「DOST法」なんて私自身聞いたことがなかったし、主人も反対でした。でもこの先AIHに寄せる期待も少なかったため、「先生を信じて是非試してみたい」と自分の気持ちを話したところ主人も納得してくれました。1回目は不成功でしたが、2回目のDOST法で妊娠することができました。
信じられないことが起こったようで、とても嬉しかったです。
 「不妊治療」は、友人などにも相談しにくいものであったため、治療を続ける上ではやはり主人の支えがとても大きかったと思います。主人はいつも「子供がもし出来なくてもそれはそれでいいやん。二人で楽しく暮らそう」と気楽に時にはおもしろおかしく私を励ましてくれました。しかしそう言いながらも私の納得がいくまで黙って治療をさせてくれた主人には本当に感謝しています。私は不妊治療を通じて、この人と結婚できて本当に良かったと感じることができました。
 現在治療中の皆さん、治療をするしない、どこまでするかなどについては夫婦でしっかりと話し合い、自分自身が後悔しないようにだけはして欲しいです。
今振り返って、中山先生をはじめ病院のスタッフのみなさんに親切にしていただき、時には励ましをいただきいろんな人に支えられていた事を実感しています。
結果を信じて、ASKAのスタッフの皆さんと一緒にがんばってください。

ART(生殖補助医療)の成績
〜院長からのコメント〜
◆ 2002年度 集計結果 総採卵件数 235件(前年比18%増)、総胚移植件数 261件(前年比23%増)
体外受精、顕微授精の妊娠率は全国平均を大きく上回る成績となりました。
◆ 2003年度 
当期より多胎妊娠を防止するための方策として移植胚数を制限しております。学会規定では「良好胚は3個まで」と定められておりますが当院では「分割期胚なら2個以内」とします。
胚盤胞移植も良好な成績が得られているため将来的には「単一胚移植」を目指します。
しばらくの間、妊娠率に変動が起こる可能性があることをご理解ください。

≪ASKAよりお知らせ≫
1. 通院患者様の「保険証の確認」を定期的に行わせていただいております。月に1回、必ず保険証を持参してください。
2. 予約が取りにくい状況が続いております。ご迷惑をお掛けいたします。
 ・「当日予約」:すでに予約がいっぱいの場合お取りできないことがございます。
 ・「受診日指定」:医師より受診日を決められた場合でも、時間帯によってはお待ちいただくことがございます。
 ・「月経開始5日目まで」などと、指定されている場合には「月経開始」時点でのご予約をお願いいたします。
3. 年末年始にかけて休診となりますので、ご承知おきください。
 ・年内:12月30日の午前診で診察終了 新年:1月4日より診察開始

≪あすか会よりお知らせ≫
1. あすか会は登録制となっています。登録ご希望の方は中山先生、もしくはあすか会までお申し出ください。
2. ASKAのHPアドレスが変わりました。http://aska-cl.com です。ぜひ覗いてみてください。


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