
| 抗精子抗体が陽性の症例においてもタイミング法や人工授精により妊娠することがあります。 また抗精子抗体は変動するため、抗体値が下がっている時には妊娠しやすい条件となる可能性もあります。しかしこの推移は予期できるものではなく、不妊治療の過程においてさらに増悪することもあるので、最初からより積極的な治療方針を立てた方が良いと思われます。 |
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| タイミング法 |
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| 抗精子抗体陽性症例においてタイミング法を行う最低条件は性交後試験(フーナーテスト)が良好であることです。子宮頸管は精子が最初に抗体に暴露される場所であり、このスタート地点ですでに精子が不動化している場合には、到底卵管まではたどり着くことはできないからです。 |
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| 人工授精 |
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| 人工授精に際しては精子を洗浄処理するため、男性側にASAが検出されるケースでは精子表面に付着した抗体を洗浄により取り除くことで運動率が改善される場合があります。 一方、女性側にASAが検出されるケースでは人工授精により精子は子宮頸管をバイパスする効果は期待できますが、子宮腔内〜卵管にかけても抗体が存在するため解決策になるとは限りません。さらに卵管に到達できたとしても受精に際して精子の機能を障害する可能性があり、この場合には人工授精では対応できないと考えられます。 |
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| 反復人工授精 |
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| 初回の人工授精により注入した精子を犠牲にして、子宮腔内〜卵管に存在する抗体を中和し抗体量を減少させた後、続いて翌日に二回目の人工授精を行う方法です。しかし存在する抗体量が多い場合には完全には中和できず、さらに卵胞液中にも抗体は存在するため卵子にたどり着いたとしても受精障害を起こす可能性が残ります。 |
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| 体外受精 |
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| ASA陽性症例においてもっとも有効な治療法は体外受精です。体外受精では卵胞から回収した卵子を培養液で洗浄することでASAの混入を最小限に防ぐことが可能です。実際にほとんどの症例においては受精が成立しますが、受精障害が起こる場合には顕微授精を行います。 |
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| 男性側のASAの治療 |
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| 免疫を抑制する作用を持つ副腎皮質ホルモン(ステロイド)剤を投与することでASAの抗体値は低下することがありますが、そのことが妊娠率の改善にはつながらないとの報告があります。精液中で精子に結合した抗体を取り除く方法はないため、精子の所見に応じた治療方針を立ててゆくことになります。 |
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