医療法人平治会 ASKAレディースクリニック


流産の定義
流産とは「妊娠22週未満の妊娠の終結」を言います。
妊娠12週未満の「早期流産」と12週以降22週未満の「後期流産」とにわかれますが、一般に流産といえば、「早期流産」を意味します。「妊娠22週未満」は児の胎外生存が不可能な時期をその設定論拠としており、以前は「24週未満」と定義されていたのですが、新生児医療の進歩により1993年に改正されました。

流産の頻度
厚生労働省の報告書(平成3〜5年)によると、全妊娠の約15%が流産に終わるとされます(内訳:早期流産13.3%、後期流産1.6%)。排卵誘発剤を使用した妊娠では自然妊娠より幾分流産率が高いとされ、さらに体外受精などによる妊娠では24.9%が流産に終わります。

流産の分類
切迫流産
出血などの症状があり、流産する可能性がある状態。
進行流産
子宮頸管の開大と子宮出血が起こり、流産が進行している状態。
止めることはできず、流産手術(子宮内容清掃術)が必要。
完全流産
完全に流れてしまった状態。出血が止まらない場合には流産手術が必要。
不全流産
完全には排泄されず、一部が残存している状態。
遺残が多く出血を伴う場合は流産手術が必要。
稽留流産
胎嚢の発育がない、または胎児の死亡が確認されるが、留まっていて排泄されない状態。流産手術が必要。
化学的流産
妊娠反応が出ただけで、子宮内に胎嚢が確認できない状態。
通常、月経となって妊娠は終了する。

習慣流産
不育症:妊娠は成立するが、流産や早産を繰り返して生児が得られない状態。
反復流産:連続して2回の流産した状態。
習慣流産:連続して3回以上流産した状態。

一般に2回までの流産「反復流産」は3回以上の流産「習慣流産」とは区別して考えられます。流産の確率を20%とすると、2回流産する確率は、25分の1(4%)、3回流産する確率は、125分の1(0.8%)となります。反復流産は25人に1人の確率で起こりうる頻度の高い現象であり、「病気」とは見なされないのです。しかし「反復流産」の人の中から3回目の流産を経験する人がでてくるため、流産のハイリスクであることにはかわりません。病気でないと言っても、二度も流産を繰り返すと怖くて次の妊娠を迎えることもできないと思われます。
そこで当院では、以下のように取り扱うこととしています。

反復流産:希望があれば不育症の検査を行う。異常がなければ治療は原則として行わない。
習慣流産:不育症の検査を行う。異常もしくは希望があれば、何らかの治療を考える。

既往流産回数と次回妊娠の流産頻度

0回(流産歴なし)
1回
2回
3回
次回流産頻度
11.1〜21.4%
15.7〜32.3%
31.8〜43.7%
44.6〜60.0%
生児獲得率


70〜80%
40〜60%

流産の診断
流産といえば、「腹痛を伴った出血」というイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、近年では超音波検査法の開発により、そのような症状が出る前に流産の診断を行うことができるようになりました。
流産の診断のポイントは妊娠週数に応じた特徴的な所見を満たしているかどうかによって判断がなされます。

妊娠週数毎の超音波所見
妊娠4週 尿妊娠検査薬 陽性 超音波では子宮内膜の肥厚所見のみ
妊娠5週 子宮内に「胎嚢」を確認
妊娠6週 胎嚢内に「卵黄嚢」を確認
妊娠7週 胎児心拍を確認

ここで問題となるのは「妊娠週数」の算出方法です。基礎体温や超音波検査によって排卵日が正確に分かっている場合を除いて、妊娠週数は最終月経の日付から計算されます。しかしこれは「排卵が月経初日から14日目である」という前提に基づいているものです(「妊娠週数の数え方」参照)。従って排卵が遅れていたり、月経不順で排卵日が特定できない人ではこの週数の数え方にはズレが生じている可能性があります。即ち、最終月経からは妊娠7週と計算されても、実際には妊娠6週という場合があるのです。このような場合には、「発育に一週間の遅れがある」と我々は考え流産の可能性について触れますが、同時に「排卵の遅れによる正常妊娠」の可能性についても言及するのです。実際には順調に発育しているのに、不要な不安を抱かせてしまう事にも成りかねませんが、どちらとも判断に苦慮することも少なくないため、一通りのリスクについては説明するのが一般的です。「他の病院で流産の可能性があると言われた」と言って、一週間後に受診した別の医院で「順調です」と言われることがあるのはこのためです。

切迫流産は流産するのか?
「切迫流産」の概念は極めて曖昧であります。流産の自覚症状は出血ですが、「流産→出血」、「出血→流産」とは一概に言えません。出血していても妊娠継続する可能性は十分ありますし、(稽留)流産していても出血が見られないことも珍しくありません。実は我々医師も出血だけで「流産するか、しないか」の判断を下すことは難しいことなのです。
切迫流産の診断を受けた場合でも、胎嚢・胎児の発育が順調であれば、妊娠継続が期待されますが、これらの発育の遅れが見られ、さらに出血などが起こった場合には流産してしまう可能性は高くなります。何度か診察を行い経過観察することで、流産の確定診断はなされるのです。

関連サイト
ハートビートくらぶ
不育症(習慣流産)及び反復流産を抱え努力を続けている患者さまを中心にしたNPO法人です。

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