医療法人平治会 ASKAレディースクリニック


ステップアップ治療とは
当院では原則として「ステップアップ方式」によって治療を行います。
「ステップアップ方式」とは、自然に近い方法から治療を開始し、原因の有無に関係なく一定の期間で成果が見られない場合には、妊娠の確率を高めるために治療内容を順次レベルアップしてゆく方法です。何らかの異常がある場合にはそれに応じた段階からスタートし、異常がない場合にはステップ1から始めます。なお子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科疾患の合併、35歳以上、その他の理由で、とにかく早い妊娠を希望される方においては相談の上で方針を決定します。

 下線の解説
自然に妊娠し得ない方が不妊治療を受けに来られるため、自然な治療だけでは意味がないとの考えもあります。しかしオーバートリートメント(必要以上の治療を施すこと)を防ぐためにも、出来る限り人為的介入を行わないステップから始める姿勢が基本です。

不妊治療は進歩しているイメージがありますが、それは生殖補助医療をはじめとした「治療法」の話であり、「検査法」はここ四半世紀ほとんど進歩がありません。想定される不妊原因はその全てが検査可能ではなく、判明するのは「氷山の一角」に過ぎません。つまり「検査で異常なし」は言い換えれば「原因不明」のことであって、検査できない大きな異常が隠れている可能性を考えておかねばなりません。治療成果が得られない場合には、このような「隠れている異常」の存在を疑って次の段階に進まなくては、費やした時間と労力が全て無駄となることさえあるのです。

知っていて欲しい「不妊治療の原則」があります。不妊治療には「必要だから行う治療」と「確率を高めるために行う治療」の二つの考え方があるという事です。
排卵障害のある人に排卵誘発剤を使用することは「必要」であるからですが、排卵に問題のない人にも使用するのは「確率を高める」のがその理由です。こうした考えから治療の段階において排卵誘発剤を使用したり、精子に問題のない人に人工授精を行うことがあるという事をご理解ください。

一般不妊治療には、「排卵誘発剤を使用するか、しないか」、「人工授精をするか、しないか」
の2×2=4通りの治療のパターンしかありません。これらを組み合わせて一段階ずつ試してゆくのが基本です。

子宮筋腫や子宮内膜症があれば必ず不妊症になるという訳ではありません。現にこれらの合併症があっても自然に妊娠する方は大勢おられます。しかしこれらが進行して不妊原因となった場合には、治療は大変厄介となります。若い世代ではこの二つの合併症は進行性に悪くなる事が多く、月〜年単位で妊娠に及ぼす影響が大きくなるため、できるだけ早く妊娠してしまうことが重要です。手遅れになった場合には、たとえ体外受精などを行っても対応できなくなるのです。

ステップアップ治療の実際
ステップ1〜3:一般不妊治療(タイミング法から人工授精まで)
ステップ4  :生殖補助医療( 体外受精、顕微授精およびDOST法)


排卵誘発 なし
排卵誘発 あり
人工授精 なし
自然排卵タイミング法
(ステップ1)
排卵誘発タイミング法
(ステップ2)
人工授精 あり
自然排卵+人工授精
(ステップ3)
排卵誘発+人工授精
(ステップ3)

 ステップ1(自然排卵による治療)
第1段階 自然排卵によるタイミング法
第2段階 自然排卵によるタイミング法にhCG製剤を併用
* hCG製剤は卵胞形成の最終段階で、卵胞の成熟を促すことにより排卵を起こす作用を持つ注射剤です(排卵誘発剤ではありません)。これにより排卵時期を調節できるため、性交渉のタイミング合わせが確実になります。タイミング療法のキードラッグです。

 ステップ2(排卵誘発剤による治療)
第1段階 内服剤によるタイミング法(クロミッド、セキソビット)
第2段階 内服剤と注射剤によるタイミング法(FSHおよびhMG製剤)
第3段階 注射剤のみによるタイミング法

 ステップ3(人工授精)
第一段階 自然排卵による人工授精
第二段階 排卵誘発剤を併用した人工授精

治療期間の目安
ステップアップ方式の特徴の一つは「原因の有無に関係なく一定の期間で成果が見られない場合には、治療内容を順次レベルアップしてゆく」という点にあります。
一つのステップ(段階)の治療期間に決まりはありませんが、当院における平均的な周期数は以下を参考にしてください。
 ステップ1
 第一段階
 自然排卵によるタイミング法
 1〜2周期

 第二段階
 自然排卵によるタイミング法にhCG製剤を併用
 3〜6周期
 ステップ2
 第一段階
 内服剤によるタイミング法
 3〜6周期

 第二段階
 内服剤と注射剤によるタイミング法
 3〜6周期

 第三段階
 注射剤のみによるタイミング法
 3〜6周期
 ステップ3
 第一段階
 自然排卵による人工授精
 2〜3周期

 第二段階
 排卵誘発剤を併用した人工授精
 4〜6周期

方針決定
いずれのステップ(段階)から治療を開始するかは、年齢、妊娠歴、不妊原因、合併症の有無、社会的背景そしてご夫婦の考えによって決定されますが、このうち最も重要視される要因は年齢です。年齢が上昇するにつれて明らかに妊娠率は低くなり、流産率は高くなります。加齢に伴い卵子の質が低下してくると、たとえ体外受精を行ったとしても、簡単には妊娠に至りません。後々で後悔しても、取り返しがつかないのです。
しかし晩婚の方について言えることですが、「何が何でもでも子供が欲しい」と考える方は意外と少なく、「できるのなら欲しい」「無理してまでは欲しくない」といった要望をお持ちの方が多いということです。このあたりの考え方はご夫婦の人生観に関わることなので、我々はそれを第一に尊重しますが、ところが最初はそれほど真剣ではなかった人が、治療を進めてゆくにつれて、「どうしても(赤ちゃんが)欲しくなる」というケースが案外と多いのです。
「ひょっとしたら手に入れることができるかも」という可能性が出てくると、「何とかして手に入れたい」と考える人間の心理の現れだと思います。
一方、30歳以下の若年の方は我々の思いとは逆に、治療を急ぐ傾向があります。「そんなに急がなくても、、」と思うのですが、切羽詰まった様相で通院されるのです。
「子供がいない人生など考えられない」という若い世代と、「子供がいなくても、それなりに生きてゆける」と考えるゆとりの世代の差の現れかと思います。

ステップアップを急ぐ場合
 年齢   35歳以上、とりわけ40歳以上は
 不妊期間 3年以上、とりわけ5年以上
 合併症  子宮筋腫、子宮内膜症のある方

ステップアップの目安
ふざけているようですが、分かり易いので「電車」にたとえてみました。
治療期間(年)
1年
2年
3年
治療期間(月)



12
15
18
21
24
30
36ヶ月
各 停 気長に
準 急 のんびりと
急 行 早足で



快 速 小走りで





特 急 急いで








新幹線 大急ぎで









 ○ 自然排卵によるタイミング法
 ●排卵誘発によるタイミング法
 △人工授精
 □体外受精および顕微授精

初診の段階で、殆どの方は「各停」を希望されます。しかし実際には最後まで「各停」という方はおられません。途中から「急行」などに乗り換える方が最も多いのです。
不妊治療は受けてみて初めて気づくことですが、なかなか妊娠しません。「こんなハズではなかった」と、途中から焦りを感じる方が多いのです。
不妊治療は時間と精神力、経済力が必要なだけに単純な損得勘定だけでは決められませんが、ステップアップすることなく数年にわたって通い続ける方と、その一方で何らかの理由により新幹線を利用して、ほんの数ヶ月で治療終了される方を見ていると、どの選択が正しいのかは我々も悩む所です。

 2.年齢
 30歳未満 タイミング法
 30歳以上 排卵誘発法
 35歳以上 排卵誘発法±人工授精
 40歳以上 排卵誘発法+人工授精、生殖補助医療
 3.排卵
 正常〜軽度の排卵障害 タイミング法
 中等度以上の排卵障害 排卵誘発法
 4.卵管
 正常    タイミング法
 狭窄〜閉塞 生殖補助医療
 5.精子
有効精子数
1000万/ml以上
 自然
1000万/ml以下
 人工授精
500万/ml以下
 体外受精
100万/ml以下
 顕微授精
抗精子抗体陽性
 人工授精以上
#有効精子数=精子濃度×運動率×直進運動性
 6.子宮筋腫、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣
具体例
 例1「排卵障害があるため、自然排卵が起こらないあるいは、排卵の予想が困難」
 例2 精子が少ない、あるいは運動率が悪い

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