医療法人平治会 ASKAレディースクリニック


「一人目が妊娠できたのに、どうして二人目が授からないのだろう??」
不妊治療の経験なく自然に授かった第一子に続いて、第二子ができないという不可思議な状態は俗に「二人目不妊」と呼ばれます。
一人を妊娠出産できたと言うことは、その夫婦の生殖機能に異常がないことがおおむね実証されたと考えてよいはずで、現にほとんどの夫婦では二人目以降も順調に妊娠できるものです。一人目を自然に授かった方々にとって、不妊治療など夢にも思ってみないことであり「そのうちにきっと妊娠できるはず」と誰もがそう信じて疑わないため、クリニックを受診するのはたいてい出産後3年程経過してからのことになります。出産を経たとは言え、数年の内にご夫婦の生殖機能に何らかの劇的な失調が起こることなどあるのでしょうか?
二人目が出来ない理由について検証してみましょう。
#二人目不妊の場合、不妊期間は出産後ではなく月経再開後から計算しますが、授乳中の期間は除いてください。

「二人目不妊」の特徴
 1.一人目は結婚後早い時期に自然に妊娠している。
 2.不妊症の基本検査を行っても大きな異常を認めない。
 3.実際に一般不妊治療を行ってもすぐには妊娠に至らない。

二人目不妊の原因
 1.排卵の状態
出産を経て月経周期などに変化が起こることはあるものの、排卵自体がなくなることはありません。しかしこの排卵の「質」には変化が起こっている可能性はあるのです。加齢に伴う排卵すなわち卵子の質の低下は35歳を過ぎると始まり、40歳以降では深刻な問題とされますが、卵巣の予備能の低下に加え、育児や生活様式の変化などの外的要因も生殖機能に何らかの影響を及ぼすストレスになる可能性があると考えられます。しかし実際には40歳を越えて自然に妊娠する人も珍しくありませんし、また産後1〜3年という短い期間で老化が一気に進行することもないと考えられるため、卵子の質の低下が第一義的な要因であると説明するには限度があります。

 2.精子の状態
卵子と同様に精子も加齢やストレスによる影響を受けるといわれます。男性には女性の閉経に相当するような大きな生殖機能の変化がないため、何歳を境にして老化が進行するかといった明確な目安はありません。60歳を越えても子供に恵まれる人もおり、個体差が大きいと考えられます。外的な要因については年々増加する仕事上のストレスも避けられないものです。
しかし受診されるご主人の精子の検査をすると、その多くは正常範囲内に収まります。一人目を妊娠した時の精子の検査データがないため比較はできませんが、精子の減少が不妊の第一義的な要因とは言えない場合が多いと感じます。

 3.卵管の状態
卵管には「輸送管」としての働きの他に、卵子を卵管内に導く「ピックアップ機構」が備わっています。すなわち卵管の末端である「卵管采」はイソギンチャクのような構造になっており卵巣から排卵する卵子を捕まえますが、この機構が働かないと卵子は卵管に誘導されず、精子と出会うことはできません。
卵管炎や子宮内膜症、骨盤〜腹部の手術歴がある場合には卵管の癒着や閉塞などが起こりえますが、「ピックアップ障害」はそのような既往がない場合にも起こり得ます。原因の判明しない、いわゆる「機能性不妊症(原因不明不妊症)」の一つの原因と考えられています。

 4.性交渉
性交渉のタイミングと頻度は妊娠にとっては極めて重要な要素ですが、不妊でないご夫婦しかり、「二人目不妊」のご夫婦も第一子の妊娠の際には必ずしも厳密にタイミングを合わせていた訳ではありません。排卵は一日の現象ですが、射精後の精子は数日間生きているため、実際には「妊娠可能日」は排卵をはさんで数日間あるとされます。性交渉のタイミングにピンポイントの精度が要求される程、ヒトの生殖は精巧ものではないのです。
とは言え、実際には育児や生活環境の変化により性交渉の頻度は減少する一方です。こうした「社会的不妊」も原因の一つの考えられるのです。

可能性について列挙しましたが、この理解に苦しむ不妊症「二人目不妊」については明確な回答はありません。今のところ「もともと妊娠しにくい、つまり不妊治療が必要なケースであったが(第一子は)偶然に授かった」、あるいは「出産後、何らかの理由で生殖機能が破綻した」と考えるしかないのでしょう。確たる原因が判明しない以上、むやみに断定的に治療を推し進める訳にもゆきません。そのためタイミング法などの自然に近い方法からエントリーするのですが、育児をしながらの通院の苦労や、第一子との年の差が開いてしまうことを懸念して、通常より早いステップアップを行うことが多くなります。


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