全卵凍結とその後の移植スケジュール

採卵に続いて胚移植を行う新鮮胚移植と、受精卵を一旦凍結保存してから後の周期で移植する凍結胚融解胚移植とを比べると、後者の妊娠率がより高いことが知られています。受精卵は冷凍食品と同様に、凍結することによりその質に何らかの良い影響が出ることはありませんので、妊娠率の上昇は移植方法や身体のコンディションの違いがもたらす影響と考えられます。
新鮮胚移植の場合には、エストロゲン値が異常に高くなり、また早い時期から黄体ホルモンが分泌されるなどして、ホルモン状態と子宮内膜および受精卵の発育がシンクロしないことなどが妊娠率低下の原因とされます。
また採卵数が多く卵巣過刺激症候群を起こしやすい状況で無理に移植を行い妊娠に至った場合には、重症化のリスクが生じます。

採卵後に受精卵を一旦、凍結保存しホルモン状態や体調を整えた次周期に移植を行う凍結受精卵融解胚移植では、上記の問題が解消されます。
とりわけホルモン補充周期で行う移植法では、ホルモン状態が安定していることが妊娠率を改善させる要因と考えられます。

以下に該当する場合には新鮮胚移植を見合わせ、全ての受精卵を凍結(全卵凍結)しています。

条件(いずれか)
採卵数(もしくは卵胞数)10個以上
血中エストロゲン値 3000pg/ml以上
早期黄体化が起こっている場合
卵巣過刺激症候群を起こしやすい体質や、過去に既往のある場合
新鮮胚移植で妊娠に至らない場合

融解胚移植の時期は、採卵後の卵巣の状態により採卵した翌月か翌々月となります。採卵後の月経時に内診を行い、卵巣に遺残卵胞がなければ、その周期で移植を行います。遺残卵胞がある場合には、そこから1周期ピルを服用して卵巣を休めます。ピル服用後に月経が開始したら、移植予定を立てます。

当院の治療方針

当院では以下の方法を標準治療としてご提案しております。

刺激方法と切り替え

・卵巣予備能が高い人(AMH高値、多嚢胞性卵巣):アンタゴニスト法GnRHアゴニストによる切り替え
・卵巣予備能が普通の人:ショート法、ロング法、アンタゴニスト法hCGによる切り替え
・卵巣予備能が低い人:低刺激法(クロミフェン、アロマターゼ阻害剤)GnRHアゴニストによる切り替え

受精方法<

・精液所見が正常な人:体外受精
・精液所見が悪い人:顕微授精
・初回治療の人:スプリット法(体外受精と顕微授精を併用)

胚移植と移植方法

・受精卵は胚盤胞で全胚凍結
・次周期にホルモン補充周期にて融解胚移植
・胚移植は孵化補助法併用
・希望があればSEET法併用

 

採卵〜胚移植の流れ GnRHショート法 不妊不育治療センター 医療法人明日香会 ASKAレディースクリニック

 

採卵〜胚移植の流れ GnRHロング法 不妊不育治療センター 医療法人明日香会 ASKAレディースクリニック

 

採卵〜胚移植の流れ アンタゴニスト法 不妊不育治療センター 医療法人明日香会 ASKAレディースクリニック

 

採卵〜胚移植の流れ 低刺激法(クロミッド・レトロゾール) 不妊不育治療センター 医療法人明日香会 ASKAレディースクリニック

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