精子調整

精液には精子だけでなく、酵素やタンパク質、細菌などの不純物や精漿(液体の部分)が含まれています。これらの不純物を除去し、質の高い精子を選別するために精子調整が行われます。当院では、パーコール法にスイムアップ法を併用して、より質の高い精子を回収しています。

パーコール法

パーコール法は、精子の密度の違いを利用して、運動性の高い良好な精子と、未成熟な精子、死滅精子、奇形精子、白血球、細菌などを分離する方法です。パーコール層に精液を重層し、遠心分離機にかけることで、密度の高い成熟精子だけを沈殿させて回収します

パーコール法

スイムアップ法

スイムアップ法は、パーコール法で選別された精子に培養液を加えて静置し、自力で培養液の上層に泳ぎ上がってきた、活発で運動性の高い精子を回収する方法です。

スイムアップ法

精子調整前後の比較

精子調整前

精液を顕微鏡で観察すると、全ての精子が運動しているわけではなく、非運動精子も一定数認められます。


精子調整後

精子調整後(パーコール処理・スイムアップ処理後)にほぼすべての精子が高速・活発に運動しているのが良くわかります。


授精(受精)方法の選択

スイムアップ後の精子濃度、男性不妊の有無、過去の受精結果などによって、体外受精(IVF)または顕微授精(ICSI)が選択されます。また、まれに、体外受精で受精率が著しく低くなる「受精障害」が起こることがあります。その予防策として、体外受精と組み合わせた顕微授精(split法)を選択肢の一つとして検討できます。