卵子活性化
処理

卵子活性化処理とは、顕微授精を行っても受精が成立しない場合、あるいは、受精率が低い場合に、卵子を人工的に活性化させ受精を促す補助的な技術です。

卵子活性化のメカニズム

受精時には、精子が卵子に入ると精子頭部から卵子活性化因子が放出され、卵子内のカルシウムイオン濃度が上昇します。カルシウムイオン濃度の上昇が引き金となり、正常な受精反応が進行します。この一連の反応を「卵子活性化」と呼びます。顕微授精で受精成績が不良であった場合(受精率が30%以下など)の原因の一つとして、卵子活性化がうまく機能していない可能性が考えられます。

卵子活性化処理

主に以下の3つの方法があります。

カルシウムイオノフォア処理

カルシウムイオノフォアは、卵子膜のカルシウムイオン透過性を高め、細胞外のカルシウムイオンを細胞内に取り込ませ、活性化を促します。

塩化ストロンチウム処理

卵子活性化能のあるストロンチウムを含んだ培養液に卵子を浸漬させ、活性化を促進します。

電気刺激

微弱な電流を卵子に短時間与え、卵子膜に一時的な穴を開け、カルシウムイオンを流入させることで、活性化を促します。

当院では、カルシウムイオノフォアの一種である「イオノマイシン」による卵子活性化処理を実施しています。

卵子活性化処理

効果と安全性

卵子活性化処理により、受精率の向上が期待されます。現時点では、この処理によって胎児の先天異常や妊娠経過、新生児の健康状態が悪化するという報告はありませんが、安全性が十分に確認されているとは言えず、症例の蓄積と検証が続けられています。