人工授精
人工授精のご案内
人工授精は採取した精液を培養液で洗浄濃縮した後に子宮内に注入する方法です(体内受精)。
精子の少ない方だけでなく、原因不明不妊のステップアップとしても広く行われています。
本邦で70年以上の歴史があり、出生児へ与える影響やリスクはないとされています。
人工授精の妊娠率は低いため、何度かトライしてゆく必要があります。治療回数は年齢や卵巣機能、不妊原因などによって異なりますが、以下に目安をお示しします。
- 人工授精の妊娠率(1回あたり)5〜8%
- 年齢と治療回数(目安)
| 30歳未満 | 5〜10回 |
|---|---|
| 30〜34歳 | 5〜6回 |
| 35〜37歳 | 4〜6回 |
| 38〜39歳 | 3〜5回 |
| 40〜41歳 | 3〜4回 |
| 42歳〜 | 0〜2回 |
人工授精には自然排卵周期の人工授精と排卵誘発剤を用いた人工授精があります。
自然排卵周期の人工授精
超音波検査や頸管粘液検査で予測した排卵日に合わせて人工授精を行う方法です。排卵の時期には個人差、周期差がありますが卵胞のサイズで言えば自然周期では18mm〜23mmが成熟卵胞の大きさです。実際には子宮内膜の厚みや頸管粘液の状態から読み取る成熟兆候も参考にして予測を行います。
診察回数
自然排卵周期での人工授精では1周期当たりおよそ2〜3回の診察が必要となります。
月経周期が安定している方の場合、排卵のパターンがつかめれば、診察回数を減らすことが可能です。排卵日以降に行う排卵確認の診察は初回のみ実施しています。
月経周期が28日型の人の場合には、おおよそ以下のスケジュールとなります。
- 1回目(排卵前:月経の11〜12日頃):おおよその排卵日を予想し、人工授精実施日を相談します。
- 2回目(人工授精当日:月経の14日前後):人工授精を実施します。必要な場合のみhCG製剤の注射があります。
- 3回目(排卵後):排卵を確認します。
排卵誘発剤を使用した人工授精
排卵障害がある方、月経周期が定まらない方に対しては排卵誘発剤が有効です。自然排卵に問題が無い方の場合でも妊娠率の向上が期待できます。
排卵誘発剤を使用し複数個の卵胞が育ったとしてもその全てが排卵するとは限りません。残ってしまった卵胞の多くは自然消滅しますが、中には翌月にまで持ち越してしまうものもあります。こうした遺残卵胞がある場合は続けて誘発剤を服用することはできません。
詳しくは排卵誘発法のページをご参照ください。
診療回数
排卵誘発剤を用いた人工授精では1周期当たりおよそ3〜4回の診察が必要となります。排卵日以降に行う排卵確認の診察は初回のみ実施しています。
おおよそ以下のスケジュールとなります。
- 1回目(月経時):超音波検査を行い、前月の遺残卵胞の有無を確認します。排卵誘発剤を処方するために、月経周期5日目までに受診します。
- 2回目(排卵前):超音波検査を行い、排卵日を予想し、人工授精の日程を相談します。
- 3回目(人工授精当日):人工授精を実施します。必要な場合のみhCG製剤の注射があります。
- 4回目(排卵後):排卵を確認します。
WEB予約
予約の登録の画面より【検査&処置】を選択し、【人工授精】を選択してください。
受付時間
午前の部:10:00~12:00
午後の部:16:30~19:00
特に午後の部は混み合うため、ご希望の時間帯に予約を取れない場合がございます。
空いている予約枠をお取りください。
予約を取れない場合は、診察時間内にお電話ください。
人工授精当日の流れ
- 受付に持参した精液を提出してください。
- 受付後60~70分程度精液の処理のためお待ちいただきます。所要時間は精液の状態によっても変わるため、待ち時間はあくまでも目安です。
人工授精実施時刻までは外出していただいても結構ですが、外出時と帰院時に受付に声をかけてください。
なお精液検査の結果が悪い場合には、キャンセルとなります。 - 精液は培養室で検査後、運動性の良い精子を回収するために分離剤(アイソレイト)を用いて遠心分離を行いさらに濃縮します。
- 人工授精の時間が来ましたら、内診室へお呼び出しし、細く柔らかいチューブを用いて濃縮精子を子宮の奥に注入します。この処置は数十秒〜数分で終わります。
強い痛みはありませんが少量の出血が出ることはあります。 - 終了後は必要に応じて排卵を促すhCG製剤の注射を打ちます。
また、必要な場合のみ黄体ホルモン剤・抗生剤の処方があります。
全ての処置が終わりましたらお会計をお待ちください。 - 当日は少量の出血と腹痛がありますが、安静は一切不要です。
入浴、仕事、運動、性交渉も支障ありません。
リスク
まれに子宮内膜炎や骨盤腹膜炎を起こす可能性があります。
人工授精後に発熱や強い腹痛が続く場合にはご連絡ください。
また夫にクラミジア、淋病、梅毒、HIV、肝炎などの感染症がある場合、精液を介して妻に感染する可能性があります。
心配な場合には事前に検査を受けておくことをお勧めいたします。
採精に関する注意事項
- 人工授精日の決定した日のお会計時に、精液採取のための専用容器をお渡しいたします。
- 精液は自宅で採取して持参してください。それが難しい場合には院内採精も可能です。
- 人工授精前の数日間は禁欲しておく方が良いでしょう。
- 人工授精当日、精液は受付時間の“3時間以内”を目安に採取し、持参してください。
- 採取方法は自由ですがコンドームを使用して精液を回収することは避けて下さい。
- 精液は専用容器に直接採取した後、しっかりとフタを閉めて下さい。
- 暖かい季節は常温で、寒い季節は暖かい部屋に保管してください。
来院の際にはタオルで包むか、人肌で保温してください。
なお保温のためカイロを使用したり、夏場の高温な場所での保管をしたりしないようご注意ください。
妊娠判定
- お渡しする検査薬で指定された日に必ず尿検査をしてください。
判定日前から茶オリや出血があっても妊娠している場合があります。 - 検査当日の朝、起床時の尿を用いてください。
- 陰性判定の結果が出た後、一週間経っても月経がない場合には、再度妊娠検査をしてください。