子宮内膜刺激胚移植法(SEET法)
~先進医療~
生殖補助医療における反復不成功例のなかに、良好胚を移植しているにもかかわらず妊娠にいたらない着床不全症例が存在します。着床不全の原因には子宮粘膜下筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜症、子宮奇形、卵管水腫などの器質的要因と性ステロイドホルモンや胚因子の刺激に対する子宮内膜の反応異常に起因する胚受容能の異常などの機能的要因が考えられています。
近年、胚培養液上清には子宮内膜胚受容能促進に関与する胚由来因子が存在することが報告されており、この上清を用いることで子宮内膜の胚受容能を改善させる方法として考案された方法が子宮内膜刺激胚移植法:Stimulation of Endometrium –Embryo Transfer; (SEET)です。SEET 法は簡便で副作用もなく妊娠率・着床率を改善し得る移植法となることが期待されています。
対象
- 生殖補助医療(胚盤胞移植)を受ける全ての方
治療方法
採卵した卵子を胚盤胞まで培養する期間に使用していた培養液は培養が終了すると廃棄されるものですが、SEET法ではこれをSEET液として凍結保存します。次周期以降に凍結受精卵の融解胚移植を行う場合、胚移植の数日前にこのリンス液を溶かして子宮内に注入します。
注入は人工授精と同様に細いチューブで行われ、ほとんど痛みを伴いません。実施時間は数分程度で、実施後は安静なども必要なくそのまま帰宅できます。
治療の流れ
採卵周期
- 胚培養と受精卵凍結保存
- SEET法用リンス液凍結保存
移植周期
- 胚移植に向けての準備
- 胚移植日の決定
- 胚移植日の2、3日前に来院しSEET法実施
- 胚移植日 胚移植実施
- 妊娠判定
SEET液は微量のため治療1回分となります。
初期胚移植には使用できません。
料金(非課税)
SEET法 | 20,000円 |
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胚移植費用には含まれません。