院長の今月のひとこと

「今月ひとこと」のタイトルは、どこへやら(笑)。
かなり久しぶりの投稿です。
   
従来、院内で閲覧できた「私の妊娠報告書」は感染防止のため
現在は手に取ってご覧になることができません。その代わりに
データ化した紙ファイルのホームページへのUp作業が進行中ですので
そちらをご覧ください。
   
さて報告書のコメント欄に「院長はあまり笑わない」という記載が
散見されます。
コロナ禍でマスク着用なので口元の表情が読めないため
目だけで感情を表現することの難しさがあるものの、
笑うことが少ないのは事実でしょう。
まあ「いつもニヤニヤしています」よりはいいかと思っています。
   
別に怒っている訳でも機嫌が悪い訳でもありませんが、
外来診療では「笑わない」のではなく、「笑えない」状況が多いというのが
実情です。
   
例えば流産を繰り返されている方が妊娠された場合
妊娠の始まりは流産の始まりとも言えます。
流産を経験している方の場合、妊娠判定陽性を伝えても笑顔は控えめです。
心配と緊張のため表情が硬いのが見て取れます。
こちらもそれが分かるので、満面の笑みという気持ちにはなりません。
卒業するまで(正確に言うと出産を終えるまで)は安易に「妊娠おめでとう」とは
言えないのです。
   
逆に初めての妊娠を心から喜んでいる方の場合
喜びの対面のはずが、私の無表情に違和感を感じられるかも知れません。
経過が順調でも翌週には流産となっている場合があります。
年齢によりますが20〜40%の確率で流産は起こるのが現状です。
そうした可能性を考えると“笑顔”の「おめでた宣言」は慎重になってしまいます。
   
流産された方の場合
かなりの確率で泣かれます。
苦労の末の妊娠ゆえ、こちらも泣けてきます。
この状況で私がおかけする言葉は無力で支えになっていないかも知れません。
ただただ結果を共有し悲しみに共感するしかできません。
   
妊娠判定陰性が続く方の場合
治療を続ければ可能性があることを伝え、その上で次の治療の提案をします。
しかし十分頑張っている方に“笑顔”で安易な励ましはできません。
患者さんのネガティブな気持ちを逆撫でることにもなりかねません。
気持ちがポジティブに変わるのには時間も必要です。
   
と言った具合に、喜びと悲しみが入れ替わる悲喜こもごもの外来診療において
こちらの感情のスイッチの入れ替えは頻回になり、これはかなり疲れます。
前の流産した方への思いを引きずって、次の妊娠された方の診療に
当たることも多いため、重く険しい表情になっていることも
あるだろうなと思います。
   
できるだけ笑うようにできれば良いのですが、、、
まあこんな状況をお察しいただければ幸いです。


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